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なぜか評判の悪い、あぶらだこの「釣盤」。
長いこと入手できなかったせいばかりでもなく、レビューなどを見ると「アルバムとしてまとまりがない」という意見がちらほら。あぶらだこに「まとまり」を求めるのが間違ってると思うのだが。
おそらく、前3作、特に「木盤」「青盤」がすごかったために、聴き手が勝手にハードルを上げてしまったからだろうと思われる。
このアルバムもベースはブンブン、ボーカルは炸裂、ドラムは絶妙、ギターはジャリジャリで超絶カッコいいのだが。……と今だから思うのであって、発表当時は実は私も「木盤」「青盤」より落ちると判断し、このアルバムからは長らく遠ざかっていたのであった。すいませんあぶらだこ、あぶらだこすいません。

さて。この「釣盤」にはステッカーが入っておりますが、こういう場合、普通はバンド名を入れるものです。しかしながらあぶらだこの場合はまさかのレコード会社名(笑)。
そもそもアルバムジャケットでさえ、バンド名、アルバムタイトル、どういう音楽かなど何らの情報もない胡散臭さなのに、このステッカーは「キングレコード」という企業名がさらに訳のわからなさを醸し出している。あぶらだこらしくって好き(笑)。

あ、今回は80年代でもなければダンボールから出てきたものでもない、普通にラックに収まっているCDを紹介しましたが、ここは一つ変拍子、ということで……。

■あぶだらこ(1996、キングレコード)
収録曲
夜霧の停車場、邁進、天狗の畦道、オー・マイ・ゴッド、錯走、グリーンパーク、蕎麦桜、蒼痍、タッピングペースト、提言、±0.5、啓蟄、春望、オークランド・イン、ヘブン、分陰

メンバー
長谷川裕倫:ヴォーカル、アコースティックギター(15)
和泉明夫:ギター
小町裕:ベース、ピアノ(6)、電動ドリル(6)
伊藤健一:ドラムス、パーカッション、合いの手(4、7、9、13)