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自分はテレビゲームはまったくしないが、弟は中学生くらいの頃からやっているという、水と油の兄弟。
ダンボールの中には弟の所持品も混ざっており、その1つがこの『テレビゲーム 電子遊戯大全』という本。
これが非常によくできている。
なんと「1 テレビゲームに関する事象」「2 開発した会社(人物)」「3 ソフト」の3段に分かれていて、それぞれリンクし合っており、関係するページを開くことができるのだ。「1」のある事象の記事に「2」「3」の関連ページがナンバリングされており、各ページをめくって照合することができる、まさに紙のハイパーリンク(笑


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こんな製本、よく考えたなぁ。
編集もすごく凝ってて、内外の関係者(開発者、ゲームデザイナーなど)のインタビューも載っているし、製作者の熱がビンビン伝わってくる。というか、熱意がないとこんな本つくれない。
出版界の隅っこに身を置くものとして、この編集作業は途轍もなく大変だったと断言できる。そして好きな人ならすごく楽しい編集作業でもあったろう。
しかしテレビゲームにまるで興味のない自分でも「読んでみよう」という気にさせられるのだから(たぶん読んだら面白いと思う)、本造りはこうありたい。
これ1冊で誕生から1987年までのテレビゲームのすべてがわかるはず。
「落丁、乱調はお取り返します」という決まり文句が書いてあるが、校正者のことを思うと気が遠くなる(笑
あと、これ重版したのかなぁ? 製本もすごく難しいと思うから、重版しても採算合わなかったと思われる。資料的価値も高く、クソみたいな本が垂れ流されている出版界は、このような書籍を出していかないとその意義は消えてなくなるだろう。

しかし……こういう製本で誰かロックの歴史をつくってくれないかな(笑

『テレビゲーム 電子遊戯大全』(1988年5月25日印刷、ユー・ピー・ユー発行)
編者:テレビゲーム・ミュージアム・プロジェクト
総監督:石原恒和(SEDIC)
編集責任:三浦明彦